「世界はすでに破綻しているのか」 高城 剛著

2014年に書かれた本書は国の経済破綻の例を次々と挙げて、その様子をまざまざと伝える。 破綻した証券会社の社員が銃を乱射したイギリスのロンドン 郊外に自給自足菜園を持って市民がしのいだ旧ソ連 突然のアジア通貨危機に襲われたタイ 何度も定期的に破綻…

勝ち逃げ社会

他の人だけが得をするのは耐えられない。 自分だけは損をしたくない。 むしろ、他の人の損を望み、自分だけが得している状況に身を置いていたい。 自分だけが笑っていたい。 これが今の社会の底でうねっている、多くの人たちの気持ちではないだろうか。 だか…

「そういうものだろ、仕事っていうのは」 重松 清, 野中 柊 , 石田 衣良, 大崎 善生, その他著

複数の作家の仕事にまつわる短編集です。重松清、石田衣良というそうそうたる面々。 出版されたのは2011年の2月。いずれの作家も油の乗っている時期です。東日本大震災の直前でもあります。銀行員のうつ病の描写が緻密な盛田隆二の「きみがつらいのは、まだあ…

「置かれた場所で咲きなさい」 渡辺和子著

恵まれた人 著者の渡辺和子氏は昨年2016年の年末に亡くなりました。 そのニュースを見た時にこの著作を読みたくなりました。 それは「2・26事件で殺害された将校の娘」という文字がニュースの見出しにあったからです。 www.huffingtonpost.jp 実はこの著作は…